フレデリック・ケックさんに人類学の現在をきいた

金曜日にはフレデリック・ケックさんが立命に来られ、「レヴィ=ストロース以後の人類学」というテーマで報告された。
ブルーノ・ラトゥール、エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロ、ポール・ラビノウ、そしてフィリップ・デスコーラを紹介しておられた。
科学人類学と人と動物の関係についての人類学として紹介されておられたのは、ケックさんご本人も鳥インフルエンザについての本を出されたように、このあたりのテーマに関心があるからでもあるだろう。

前のポストで紹介したように、エドゥアルド・ヴィヴェイロス・デ・カストロは近刊のタルド論文英訳本の解説を担っており、Métaphysiques cannibales(2009)という本でドゥルージアン人類学者として知られているとのこと。

ケックさんになんでタルドをいま人類学者が読み返しているのか?と直接尋ねるも、明確な答えは来なかった。ですが、ケックさんは息子のアルフレッドが「アガトン」というペンネームでアクシオン・フランセーズに入ってたなどということを知っていたり、博識であることを改めて感じた。
そして、タルドが読み返されている理由については、ケックさんがいっていた、エピステモロジーブルデューの科学観がout of dateであって、いまはラトゥールの科学観のほうがインスパイアされるものがあると言っていたことのほうにヒントがあるように思えた。

むこうも予算的な問題では人類学は厳しい、というお話もされていて、どこも同じか、とも思いつつも、こちらの申請書類提出直後に刺激的な会に参加でき、さっそくモチベーションを高められたのはありがたかった。