パリに来て一ヶ月、Centre d’histoire de Science Po.

1月の終わりにパリにきて、ほぼ一ヶ月がすぎました。
Scince Po.のCentre d'histoireにある、Le fonds de Gabriel Tardeの調査を続けています。
2月はじめに渡辺先生が来られ、フレデリック・ケックさんとお昼ご一緒させていただいたり、その帰り道にもう一人のフレデリック、ヴォルムスさんにお会いしたりということもありました。
2月の半ばは奇跡的に一週間ほど雲ひとつない晴天が続き、散歩ばかりしていました。
滞在している日本館は13区の中華街に近く、よくご飯食べに行ったりしています。
また、こちらにきているタルド研究、アナキスム研究の人たちと、タルド研究会を週一でできているのも非常にありがたいところです。

さて、Centre d'histoireの利用方法を少し書いておきます。制度的に利用しやすいのではないかと思います。登録料など不要で、ネットで閲覧予約して、返信がきたらあとはrue JacobとRue St. Pereの交差点のところにあるCentre d'histoireに直接いけばよし、です。

http://chsp.sciences-po.fr/

IDのコピーをとられましたが、そのほか、こちらの研究機関に属している必要もなさそうです。1階にある閲覧室は一応8人がけですが、だいたい資料を広げるので4人程度でいっぱいになります。でも、たいてい午前中は最近は僕一人で、4人いっぱいになるということはないですね。ノートパソコンも持ち込み可能です。上述のタルドアーカイブを整理されたDominique Parcolletさんもほぼ毎日来られています。開館時間も、2008年にきたときは火、水、木の午前中だけだったのですが、火・木は午後も開室しているようになりました。

手稿は写真撮影不可ですが、新聞など、印刷されているものは可能です。また、資料の内容については、Centre d'histoireのものであるという注をつけ、引用をきちんとするかたちであれば、論文などに使うことができるようになっています(以前は、論文で使うときにもう一度許可がいると伺っていたのですが、そうではなくなったみたいです。2008年の後半に関連の法律が改正されたらしいことと、関係があるのかもしれません)

タルドは手稿ではかなり率直に自分の立場を書いているところも多々あります(というか自分の立場を書きながら形成しているのでしょうが)。そしてフランス語を母語にしていない人にとって重要なことですが、概して若いころの手稿は読みやすく、とても助かっています。
いまは若いころのノートを中心に閲覧していますが、これほど膨大にノートをとっていたのかと驚かされます。テーヌやスペンサーなど、当時、(翻訳ふくめて)出てすぐの本について熱心に読み、ノートをつけていたのがみてとれます。

アジャンにあるMediatheque de Gabriel Tardeに蔵書があるはずなので、そこにいくと、Miletのいうところの「燕」マークや書き込みの入ったタルドのノートもみられるのではないか、とくに重要そうな著作についてはみてみたい、と考えはじめると、キリがなくなってくるのですが、、、、

ぜひ、タルド研究に関心のあるかたは、手稿を見に行ってみてください。