タルド『模倣の法則』新訳

最近ドゥルーズの翻訳を立て続けに復刊している河出書房新社から、今度は『フーコー』が文庫化とのこと。
また、村澤真保呂さんと池田祥英さんの手によるタルドの『模倣の法則』の新訳が、同じく河出書房新社9月には発売予定とのこと。僕が卒論を書いていた2002年には大村書店から近刊予定と記されていたのを見て以来、諸事情により5年以上かかったことになります。
思えば、この『模倣の法則』の翻訳はそのはじめから不運に見舞われていました。
以前の翻訳は、ベッカリーアなども訳しておられるかの風早八十二の手によるものですが、これは全8章のうち6章までの抄訳で、訳出中に関東大震災に見舞われ原稿ならびに原著が失われた後、再度短期間のうちに仕上げられたものだとご本人が弁解しておられます。

ちなみに、今回の新訳は8章すべて収録した全訳とのことです。7章、8章は原始宗教論や家族論など、面白い記述が多くある箇所です。これらはこの新訳でようやく日本語で読めるようになるわけです。タルド研究者としては、要約することにできない魅力に満ちた著作である『模倣の法則』を、この新訳で多くの人に読んでもらえることを期待します。

ウラゲツ☆ブログ「ドゥルーズの名著『フーコー』が河出文庫に」
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