ロールズ『正義論』読書会もぼちぼちと進み、ようやく二部の後半。
今回の担当部分は43節。
ロールズはソーシャルミニマムを置くために、市場独占などを防ぐ配分(allocation)部門、完全雇用をめざす安定(stabilization)部門、ソーシャルミニマムや公共財として財を移転する移転(transfer)部門、相続などによって平等な自由が侵害されないようにするためそして格差原理に基づいて財の移転を行う際に必要な収入を増やすために、租税や財産権の調整を行う分配(distribution)部門と4つを考えている。
効用逓減などは想定していないので、ソーシャルミニマムがうまくいっているという前提で支出税の肯定、別に累進課税でなくてもよい、とする。
まず正義の二原理の応用であるこの4つの部門で最低減の保障はいけるとしたうえで、今度は効用原理を入れて、全員一致で合意した場合、つまり、個人の私的な効用よりも公的な効用が上回っていると全員が考える場合のみ、代表者の議論と合意によって公共財をつくる交換(exchange)部門がある、とする。